あいつはCouch


Moriさんよりリクエストがあったので私のルームメイトについての
小話をもう一つさせていただきますね。
なんせ7年間の留学でできたルームメイトの数15人(笑)
まるで引越しばっかりしてる人みたいですねぇー。

Aと出会ったのは2000年9月。
WLUに入学してルームメイトとなったうちのひとりでした。
私は入学当初男子部屋を割り当てられたというハプニングがあり自分の部屋をもらうまで
Aの部屋で3日ほど夜を過ごしました。(Aの部屋は2人部屋の予定、が1年間一人のまま)
すっごいいびきでびっくり。
毎日のオリエンテーションや新しい出会いの連続でかなり疲れていた私ですが
なかなか眠れない日々が続きました。
1週間後同じQuad内で一人部屋をいただき私はそちらに移りました。
Aは「この部屋に住んでてもいいのよ?」と提案してくれましたが丁重にお断りさせていただきました。

どこを見渡しても一年生だらけの寮。
私のルームメイトたちも一年生。
みんなアパートメントスタイルでの生活やルールなどがいまいちわからず
私たちは食べ物と掃除、洗い物を4人で分担するスタイルをとることにしました。
月曜日はA、火曜日はP、水曜日は私、そして木曜日はN。週末は各自で行います。
(Awayになることが多かったのでそういうスタイルです)
始めはAも洗い物をやっていたのですが一ヶ月ほど経つと彼女の怠け癖が出だしました。
彼女の担当の日はいつまでたっても流しにお皿が山盛り。
ついには使えるお皿がなくなり自分たちで洗う始末。
(皆自分で持ち寄ってるからお皿の数の限りあり)
これじゃあ当番せいの意味ないじゃん!

晩御飯もPとNは頻繁に作ってくれていました。
私は自分の味付けに自信がないのでNとPのお手伝いの日々でした。
ただコロッケとかは何回か作ったよ。
焼くだけのステーキとか(笑)
Aは一度もご飯を作ってくれたことはありませんでした。
あ、あった。
KD。はい。学生の見方。マカロニ&チーズです。
茹でて粉状のチーズをまぶして出来上がり。
好みでバターやミルク、味付けにケチャップをのせてね(^_-)-☆ってな勢いです。
まさに「私料理できるで!味噌ラーメン、塩ラーメン、醤油ラーメン、全部あるけどどれにする?」
の世界だと思うのですが…いかがですか?
ちなみに私とPが半日かけて作った超豪華なDinner例えば、Scallop potato, meatloaf, and
homemade mac&cheese + saladなんかはペロリと食べます。
晩御飯に誘ってなくても部屋から出てきます。
あ、間違えた。彼女サラダ食べないんだ。(野菜食べない)

私たちのうっぷんは溜まって行きました。

その内寒くなりAが家にいる時間は多くなっていきました。
理由は「寒いから」
おんどりゃカナダで生まれ育ってきてるんやろう!と思いつつ彼女に冷ややかな視線を送りました。
えぇ、彼女は生まれてから16歳くらいまでをWLUから30分ほどのところで育っています。
毎朝10時過ぎに起き何かを食べ3人掛けのカウチに一人横たわる彼女。
「あのー、私立ってテレビ見てるんですけど?」
しかもチャンネルを離さない。
見たいテレビ番組が見れることはまずないです。
まさにテレビの主です。
この瞬間彼女はCouchになりました
そりゃーこれはあなたのテレビよ。でもそんな真似しなくても???
一体GreaseとDazed and Confusedのビデオ何回見た?って勢いだし。
(だってまるでその映画に出てる役者のように台詞をすべて暗記)
そのテレビに出す誠意を勉強に燃やせば?と何度思ったでしょう。
その内自分でも「私の授業がすべてテレビで放送されたら全教科A+は余裕だよね」
なんてことまで言い出し私たちはあきれました
その前に学校行けよ…ってね

そんなこんなでクリスマス前私たちはもめまくりました。
P,N,そして私の3人でクリスマスショッピングに行って「可愛そうだったかなー」って
心配しつつ家路を急いだ時もやっぱり彼女はCouchに寝ていました。
いけずだけどAをすべてのActivityから無視した日も3日ほど続きました。
他の階の男の子と仲良くなってケーキとビールを楽しんだときも
ちょっと法律違反を仕掛けたときも…Aを仲間はずれにしてました。
ただその間寝続けれる彼女もすごいなぁって思うけどね。
(部屋でめっちゃ騒いでたのに)

そんな行動を続けていた彼女…前期は単位落としまくりでした。

Aはけっこうぽっちゃりです。(でした。今は痩せてるからね)
おなかも狸のように出ていたし多分160センチで70キロ以上あったと思う。
顔はぶさいくではないのだけど肉が全体について本当の顔がわからない。
クラブとかで男の子が一番に声を掛けるのはN。
Aが比較的仲の良かったNはいわゆるもて子さん。
いつも彼氏がいるし若干18歳にして寝た男性の数5人。
その内4人は大学に入学してから出会った同じ寮の人(笑)
そんな話を聞いていてAは羨ましかったのだと思う。 Pにも好きな人がいていい感じだったし。
Aに言い寄る男性は見事に0(なし)でした。

3月、PもNも私も男運が悪くて隣町のGuelphまで出会いを求めてClubに行きました。
皆めっちゃテンション高くてクラブに入る前から並んでる人とかに声かけてる勢いでした。
Guelphには知人もいなく皆開放感があったのでしょう。
すぐに周りにいた男性をひっかけ大人な世界でした。
面白いくらい周りから声がかかりかなりはじけていました。
そんな数時間を過ごし1時半くらいになったとき私に一人めっちゃタイプな人が声をかけてくれました。
背も高いし、臭くないし、顔もええ感じ。
そして彼と私が急接近した瞬間Aに彼を取られその隙にAは彼にキスしたのです!!!!
えぇ、その場にいた私たち皆目が点でした。
私を含め4人で顔を見合わせどう対処していいのかわからないくらい。
そのときのAの満足げなこと。
一晩中誰からも声のかからなかったAは最後の最後にしてやりました。
そしてなぜか「一緒に帰ってもよかったんだけどねー」とか言い出して…
いや、あんたの事誰も誘ってなかったよ…って感じで。
かなりの勘違いさんでした。

それにね、彼女の部屋赤い電球とかあってなんか下手なラブホみたいなの。
欲求不満なのか?って思わせられるくらい。
なんか彼女の部屋に行く度息苦しくなりました(笑)
頑張ってデコレーションしてるのわかるけど…皆には不評だったわよ?

(2年生になり私は彼女に会ってませんが少し痩せたらしくそれと同時に
彼女の中で何かがはじけPub Nightに行っては男性お持ち帰りしてたらしいです。
このときを待っていたぜ!って感じで)

相変わらずGoing my wayな生活を後期も続けた彼女。
後期の授業も欠席が目立ちました。

彼女はピーナッツアレルギーだと言うのです。そう言い張るのです。
だからPもNも私も大好きなピーナッツバターを部屋に持ち込めないのです。
でもねAのアレルギーはうそ臭い。
だってピーナッツとか入ってそうなタイ料理とかピーナッツオイル絶対使われてる!
って思えるような料理平気でオーダーするんだもん。
だからたまにみんなでキッチンで輪になってピーナッツチョコレートとか食べてました。
なんか異様な光景で今思い出してもおかしい。
Aが部屋に入った瞬間に誰かが戸棚からピーナッツチョコとか取り出して
まるで戦争中で何も食べてない子のようにピーナッツチョコを無我夢中で食べるんです。(笑)

まあそんな彼女も女。
気になる人が部屋に遊びに来ると必要以上に動きます。
コーヒー入れてみたり、お菓子やタバコ勧めてみたり。
あまり共感できな話にも無理やり共感しておきます。
私たちのためにもあれくらいかいがいしく動いて欲しいわよ…と何度思ったことでしょう。

まあいろんなことがあった8ヶ月。
嬉しいことも楽しいこともありました。
Aのマイペースにも慣れ愛しささえ感じるようになった4月の終わり、私たちはお別れをしました。
それ以来彼女には会っていません。
ただうわさではあまりにも度重なる欠席のせいで成績が悪すぎて
専攻を変えさせられそうになったという。
(WLUは専攻に必要な教科はB−を最低キープしなきゃいけないの)
(2年になるとBとかだから結構厳しいのね)
あと親に成績表を見せることができなくて自分で訂正したものを見せたらしい。
例えばC-をC+とかね。
やることがせこいです。

とまあ彼女の面白い点だけに注目してみました。
別に彼女は悪い人間ではございません。
ただ怠け者なだけです。
イメージとしてはリーダー格の女の子の周りをちょろちょろしてる子って感じです。
UBCで出会ったKに比べたらAなんてかわいいものです。

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