高校を卒業して…

思い返せば「あっ」という間の3年間でした。
右も左も分からずカナダに来たのは1997年6月のお話。
知り合いさえいない土地で一から始めるというのは今思い返せば恐ろしい事です。
始めは1年のつもりだった留学もとうとう3年間、高校を卒業してしまいました。
卒業してみるとうっとおしかった寮の規則や校則がただひたすら懐かしく感じられます。
大嫌いだった英語の先生さえ懐かしく感じるのです。
卒業式が終わって荷造りも終え学校を後にしようとした時の気持ちはどうやって表せばいいのでしょう?
私のつたない語学力では表現できないかもしれません。
寂しくもありましたがそれと同時に大きな到達感もありました。
実際私は真面目に学校行事に取り組む生徒とは程遠い生活をしていたし、深く付き合っていた友達も
多くいた方ではありませんでした。
皆でわいわいするのは大好きだったけどそんなに目立った行動にも出ていませんでした。
早く卒業して自由になりたい!って思っていた時期もあったし学校が嫌いだった時もありました。
だけど高校を卒業するにあたって自分の置かれていた環境を再認識しそれに感謝しました。
LCSに行った事によって当初の目的であった英語も学べたし昔よりももっと成長できました。
人とのつながりの重要さも学びました。
人間的に成長できたのと同時に勉強の面でもたーーーーくさんの事を学びました。
カナダに来ていなかったら微分積分や代数なんて一生手をつけなかっただろうなぁ。
世界で起こっている様々な問題にも気づかなかったと思います。
きっと日本で今私が一番嫌う洋服と男にしか興味の無いつまらない女性になっていたかもしれません。
(下手したらもうすでにお見合い結婚してるかも?)

初めてカナダに来た時のあーーーーんなに不安だった日々はウソみたいです。
色んな事で泣いて笑って、恋して失恋して、走って歩いて…
サマーキャンプの延長線上みたいな毎日はもう2度と経験できないんだろうなぁ。
そう思うと少し悲しいです。
まさに夏休みが終わった後のあの寂しい気持ちと同じです。
大嫌いだったあの先生も、大好きだったあの授業も…
もう2度と受ける事はないんだなぁ。

高校を卒業してから2度LCSに戻りました。
1度目はFall Fareの時。大学の友達と一緒に大はしゃぎでした。
大嫌いだった友達も懐かしく感じたし思ったよりも普通に話せました。
皆でゴハン食べたりお酒のんだり楽しかったです。
しかもあまり仲良くなかった友達も私のこと懐かしそうに話しかけるので不思議だったかも。
昔はお酒を学校の近くで飲むなんてありえない!って感じだったけどこの機会に飲んで見ました。
やっぱり悪い事をしてるような気になったわ。おほほ。
2度目はお友達のchapel speechの時。
私はその日遅刻をしてしまい彼女のスピーチを始めから聞く事が出来ませんでした。
トホホ。ごめんね。
しかもその日の午後の飛行機でバンクーバーへ向かう予定だったので大急ぎで学校を去り残念です。
卒業してから1年もたっていなかったのに学校の雰囲気は私の居た頃とは全く違っていました。
今の生徒さん達が新しい校風を作っているんだなぁと思うと少し寂しい気もしますがまあ前進あるのみですよね。
最近学校のHPで学校の様子を見ると全く違った学校に思えてきます。
まあ形ある物変っていくのが世の常というものですね。
あの頃の私は本当に若くてがむしゃらで、でも楽しかったです。

これを書いている今日現在(2004年8月10日)の私はあの頃より少しだけ大人になり、あの頃を懐かしみます。

 

目次